ムトウの日記

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科学的に正しい「ほめ方」5つの鉄則

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こんにちは、むとうです!

今回のテーマは「褒め方」について!

実は、ハイディ・グラント・ハルバーソンさんの著書である『やってのける(意志力を使わずに自分を動かす)』に、科学的に正しい褒め方について参考になりそうな箇所がありました。今回はその褒め方についてシェアしていこうかと思います。

 

家庭で親が子供を教育する場合や、仕事で上司が部下に対して教育する場合などに、正しく「褒める」技術が必要になりますよね?

しかし、そんな時、「自分は人を正しく褒められているのか?」と不安を感じている人もいるかと思います。今回は、そんな方に参考になる記事になると思います。

それではさっそく紹介していきますね。

 

はじめに

一般的に、相手を褒めることはつねによいことだと思われがちです。

しかし、伝える内容やその言い方次第では、相手の動機づけを高めることもあれば、逆に落ち込ませることもあります。

褒められることは、自信や決断力を高めます。褒められると喜びを感じ、積極的に目標に取り組むようになるでしょう。

しかし、褒められることがプレッシャーになり、リスクを取ることに消極的になり、自発的な行動が低下する可能性もあるのです。

相手の意欲を損なうことなく、「頑張ったね」という言葉をかけるにはどうですればいいのでしょうか?

2002年に、心理学者のジェニファー・ヘンダーロングらは、称賛の効果についての多数の研究をレビューし、よい成果に対するフィードバックにプラスの効果を持たせる5つのルールを定義しました。

 

ルール1:称賛の言葉は「本心からのもの」であること

本心は相手に伝わります。

「言葉巧みに何かをするように仕向けられている」「自分を気遣うあまり嘘のほめ言葉をかけられている」などと感じるとき、人は相手の言葉を誠実なものとして受け止められなくなります。

過度な感情表現でほめ言葉をかけることも誠実さに欠けると思われやすくなります。オーバーな表現や言葉には気を付けましょう。

また、努力が十分でない人に、努力したと褒めるのはよくありません。技能を学んでいる最中の人に、技能が優れていると褒めることもよくありません。相手にばつの悪い思いをさせてしまうことがあるからです。

そして、些細なことを大げさに褒めると言葉に真実味がなく、バカにされたと感じる場合もあります。称賛に値しないことや些細なことをことさらに褒められるのは誰でもあまりいい気分がしないものです。

誠実さを伝えるには、身振りや行動が言葉と矛盾しないようにする配慮も大切になります。

視線を逸らしたり、言葉を探してからほめ言葉を伝えても、行動と言葉が噛み合っていないと思われます。褒め言葉はむやみに用いるべきではありません。本当に称賛にあたいすると感じた時にだけ伝えるようにしましょう。

 

ルール2:相手がコントロールできる行動を重視する

先天的な能力や資質をほめると、うまくいかなかったときに問題が起きます。

 テストでよい成績を取った子に、「よくできたわね。あなたは本当に賢い子だわ」と褒めると、次のテストの結果が良くない時に、子供は自分が賢くないと感じてしまいます。

逆に、努力や忍耐力、心構えなどを褒めることで、それらが重要であるという考えが強まり、困難に直面しても簡単に諦めなくなります

キャロル・ドゥエックらによる実験も、その重要性をはっきりと示しています。

まず、小学5年生 の子供たちに比較的簡単なテストをさせ、その結果を褒めます。この際、生徒の半分には、その能力をほめ、もう半分には、その努力をほめます。

次に生徒全員に難易度の高いテストを与えます。きわめて難しいテストなので、正解率が10%以上になった子供は一人もいませんでした。

最後に、子供たちに最初と同じ難易度のテストを受けさせました。その結果、能力を褒められた子供たちは、最後のテストで大きく成績を低下させてしまいました。最初のテストで「頭がいい」と褒められたことで、二番目の難しいテストができなかったときに、自分は頭がよくないと考えてしまい、その結果、自信と意欲を低下させ、3番目のテストでも正解率を低下させてしまったのです。

一方で、努力を褒められた子供たちには、逆のパターンが見られました。最初のテストよりも、3番目のテストの方が成績が良かったのです。

努力を褒められた子供たちは、2番目の難しいテストが難しかったことでさらに努力が必要だと感じ、3番目のテストに懸命に取り組んだのです。自信と動機づけが高まり、それがよい成績に結びつきました。

悪い例:よくできたわね。あなたは本当に賢い子だわ。

良い例:よくできたわね。勉強を頑張ったからだわ。たくさんのことが身に付いたはずよ。

ルール3:人と比較しない

他者と比較されると、私たちはそれを生まれ持った能力と関連づけて考え、努力やアプローチなど、自分でコントロールできる要因を軽視してしまいがちです。

成績や成果が他者と比較されていると感じると、技能や能力を高めようとするのではなく、良い成績を評価してもらうことに執着するようになってしまいます。

他者との比較に基づいたほめ言葉は、相手の自意識を強くさせ、能力の誇示に注目させてしまいます。そのため、将来的な成長が阻害されてしまう可能性が高まるのです。

褒めるときは、相手が成長した点に注意を向けましょう。他者との比較ではなく、本人の現状と過去の実績を比べるのです。成長したことを褒められれば、更に自分を向上させようとする意欲が高まります。

悪い例:君はこの学部で一番優秀だ。

良い例:君はこのプログラムを始めてからとても成長した。

 

ルール4:自律性の感覚を損ねない

 結果に対して報酬を設定したり、プレッシャーをかけたりすると管理されているという感覚が生じ、行動そのものから得られる楽しみや没頭の感覚が損なわれます。

「このまま頑張れば賞金がもらえる」

「この調子で上手く続ければ、君のことを評価する」

などの言葉は、金銭や愛情など、外部的な評価基準を強調しています。勉強や仕事に楽しみながら自発的に取り組んでいる学生や従業員の注意を外部に向けてしまうことになるのです。

褒めるときは、褒める対象そのものに着目し、相手の好みや選択を認め、自発的な行動を促すような褒め方をしましょう。

悪い例:このままずっと数学でいい点を取り続けたら本当にすごいね。

良い例:素晴らしい。あなたが数学を楽しんでいるのが分かって嬉しいわ。

 

ルール5:達成可能な基準と期待を伝える

 良い結果を褒めることは、相手がモチベーションを高め、引き続きよい成果をあげるのにきわめて効果的ですが、つい褒めすぎてしまう場合があります。

私たちは相手に、御その気になればなんでも実現できると信じてほしいと考えます。そして、褒めることでさらに自信を深めてほしいと考えますが相手に実力以上のものを期待してしまうこともあります。

勉強のできる子供に「将来はハーバード大学に合格間違いなしだね」と言ったり、運動が得意な子供に「未来のオリンピック選手だな」などと言ったりするのは、無害なほめ言葉のようにも聞こえますが、そういう言葉を繰り返し聞かされた相手は、「自分にはその道しかない」と考えてしまうことがあります。

ハードルを高く設定するのは大切ですが、現実的であることも重要です。優秀な成績で卒業しても、ハーバードに合格できない人は毎年たくさんいます。並外れたスポーツ選手でもオリンピックに出場できるのはほんの一握りです。

効果的な目標とは「難しいが可能」なものです。ハーバードやオリンピックの代わりに、勉強が得意な子には「良い大学に入れる」、運動が得意な子には「大学でも運動部で活躍できる」と褒めてあげましょう。もちろん、そのためにはたゆまぬ努力が必要だと付け加えることも忘れないように。

悪い例:いつもこれくらいのプレーができれば、メジャーリーグも夢じゃないぞ!

良い例:今日は素晴らしいプレーだった。次の試合でさらにいいパフォーマンスをだすには、どう練習や準備をすればいいか、考えてみよう。

 

まとめ

  • ほめるときは誠実に
  • 才能ではなく行動を褒める
  • 他者と比較しない
  • 褒められることを目的にさせない

 

最後に

ここまで読んでくれてありがとうございます。

今回は褒め方についてでしたが、何か得るものはありましたか?

僕は子供の頃、親、特に母親から他者と比較されて育ちました。見た目や先天的なものを褒められ、努力や行動については褒められず、自分を十分に伸ばすことができなかったように感じます。たぶん、その背景があるからこそ、このような記事の内容を書いているのだと思います。

しかし、この記事の内容を知っていれば、子供が不憫な思いをせずに、より充実した生活をおくれると思います。ぜひ、親や上司、または誰かに物事を教える立場にある人には、この記事の内容を役立ててほしいなと思います。

そう遠くない将来に、「私はあの時の、あなたの褒め言葉に救われたよ」と言われることがあるかもしれません。それは、褒める人、褒められる人の理想の形ではないでしょうか?僕はそういう関係がとても素敵だと思います。

それでは、今回はこのへんで!(`・ω・´)