有酸素運動で脳の体積を増やす
こんにちは、ムトウです!
今回もタイトルの通り、瀧靖之さんの著書である「脳が目覚めるたった1つの習慣」より、「有酸素運動で脳の体積を増やす」ということについて書いて行きます。
前回の記事はこちら↓
有酸素運動の継続で海馬が大きくなる
海馬の神経細胞の新生を促す効果があるのが「運動」です。運動といっても、サッカーやテニスのような激しいスポーツや、ジムでハードなトレーニングを行う必要はありません。
1日たった30分歩く程度の「有酸素運動」が、脳の海馬を増やしてくれるのです。
アメリカのピッツバーグ大学などの研究チームが2011年に発表した内容によると、55歳以上の人が有酸素運動を6ヶ月間続けたところ、海馬の体積が増えたことがわかりました。研究チームは55~80歳の健常な男女120人を集め、「有酸素運動(ウォーキング)を1日40分、週3日行う」グループと、「ストレッチングのみを行う」グループにくじ引きで分けました。
すると、6ヶ月間、有酸素運動をしたグループでは、海馬の体積が左右ともに2%前後増加したことがわかったのです。一方、ストレッチングだけを行ったグループは左右ともに1.4%前後の減少が見られました。
この研究論文を執筆した同大学の心理学を担当するカーク・エリクソン教授は、「適度な運動を1年間続けるだけで、海馬のサイズを大きくすることは可能だ」と話しています。
つまり、しっかりと呼吸をしながら体内に酸素を送り込む有酸素運動をある程度継続すると、海馬が大きくなることがわかったのです。
脳の神経細胞の栄養素「BDNF」
「有酸素運動」によって海馬が増えるのは、脳の神経細胞のエネルギー源ともいえる栄養素「BDNF(Brain-Derived-Neutortrophic Factors/脳由来神経栄養因子)」という物質が体内につくられるからです。
これは、海馬の幹細胞から神経細胞が新しく生まれる際の栄養素となります。神経細胞はやがて、ニューロンとお呼ばれる神経回路を形成します。この神経回路が増えることで、海馬内で情報がやりとりする回路が増えて、その機能はあがり、体積も増えるのです。
BDNFは加齢とともにどんどん減少し、脳の萎縮が進んでいる人ほど、この栄養素が少ないこともわかっています。
そういった人でも、有酸素運動を行うと、BDNFの血中濃度が上がるため、海馬の神経細胞の新生が促されると同時に脳の萎縮が抑えられるのです。
有酸素運動がもたらす、脳に良いさまざまな効果
有酸素運動が脳にもたらす効果は、BDNFを増やすだけではありません。
認知症を引き起こす原因である「アミロイドβ」を壊す酵素を発生させたり、脳への血流を増加させたりもします。
また快感ややる気をもたらす「ドーパミン」、瞬時に解析能力を高める「ノルアドレナリン」ドーパミンやノルアドレナリンのバランスを調整して精神状態を健康に保つ「セロトニン」など、思考や感情に関わる神経伝達物質の分泌を促す効果も認められています。
さらに、動脈硬化の原因となる物質や、遺伝子を傷つける物質を追い出したり働きまであるのです。
脳力を維持し、心身の健康を守るためにも、有酸素運動は非常に効果的だといえます。
ポイント:有酸素運動があらゆる脳神経の栄養素を増やす
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